1. ステラセンス開発のきっかけ
皆さま初めまして、個人開発者のKJと申します。ブラウザゲーム「ステラセンス」の開発・運営をしています。
このページはゲームと同じサイト内にあるので、すでに遊んでいただいた方もおられるとは思うのですが、直接このページを開いた方のために、まずはゲーム内容を簡単にご紹介します。ステラセンスはいわゆる「お絵描きクイズゲーム」の変わり種で、自由に絵を描く代わりに、画面に配置された星を線でつないでお題を表現し、ほかのプレイヤーに当ててもらうゲームです。

この「ステラセンス開発秘話」では、開発中に考えたことやゲームの仕様の裏側を、いくつかのテーマに分けて書いていきたいと思っています。初回は「そもそもなぜステラセンスを作ろうと思ったのか」についてお話しします。
絵が苦手でも参加しやすいゲームを
もともと、私はどちらかといえば1人用ゲームより複数人で遊ぶゲームを好んでおり、配信者の方々がよく遊んでいるお絵描きクイズゲームというジャンルにも興味がありました。ただ、自分で遊ぶことには二の足を踏んでいました。というのも、私は絵が壊滅的に下手だったからです。
絵が下手でも、それはそれで笑えて楽しめるというお絵描きクイズゲームの特性も理解してはいました。それでも、絵の上手い人と下手な人の間に、ゲームを始める前から大きな差があるように感じられることが、私にとってのハードルだったのかもしれません。
この感覚は、FPSや格闘ゲームに初めて触れるときのハードルに近いものだと捉えていました。例えばFPSではエイムやキャラクター操作、格闘ゲームではコンボなど、ジャンル内で活かせる基礎となる要素があり、同じジャンルのゲームを遊んできたプレイヤーには経験の蓄積があります。もちろんジャンルの経験者が有利になるのは当然ですが、一方でより幅広い人に遊ばれているタイトルには、経験者の強みとは別の活躍の余地を作ることで経験者と初心者のスタート地点を近づける工夫があるようにも感じていました。例えば『Apex Legends』のキャラクター能力やチームでの連携、『大乱闘スマッシュブラザーズ』のアイテムやステージを含むその場の判断などです。
お絵描きクイズというジャンルでは、「画力」という要素そのものがジャンル共通の基礎になっていると考えました。では画力の高い人と低い人のスタート地点を近づけるにはどんな捻りを加えればよいのか。自分なりに答えを出すきっかけになったのは、家族との何気ない会話でした。
星座なら「言ったもん勝ち」
ふとしたことから星座の話題になり、「星座って、ものによっては相当無理やりな表現をしているものがあるよね」「昔の人は想像力が豊かだったんだろうね」「こんな星座が許されるなら、言ったもん勝ちで自分たちで新しい星座を作ってもバレないんじゃない?」というような会話をしたのを覚えています。
星座なら、ある程度「言ったもん勝ち」で何かを表現できるという共通認識がある。じゃあ、オリジナルの星座を描き、それが何なのかを当てるゲームも成立するのではないか? そう考えました。
自由に絵を描くのではなく、あらかじめ配置された星を使うという制約を設ければ、画力の巧拙が結果に与える影響を和らげ、みんなが近いスタート地点から楽しめるお絵描きクイズゲームになるかもしれません。星の配置が悪ければ、絵が上手い人でもお題をうまく表現できず、なんだか笑える星座ができることもありそうです。一方で、絵が苦手な人でも線を引くだけなら、何となくお題を伝えられそうです。
初めてのゲーム開発をスマホから
ちょうどその頃、私はそれまで進めていた個人開発がひと段落し、次は何を作ろうかなと思っていました。ゲームを開発した経験はありませんでしたが、せっかくアイデアが降ってきたのだから作ってみようかな、と思い立ったのがステラセンス開発の始まりです。
当時はプライベートの事情により、ほとんどPCに触る時間がありませんでした。一方で、断続的にスマートフォンを触る時間はあったため、スマートフォンで仕様を書き、リモートのAIエージェントに実装を任せる形で開発を進めることにしました。この辺りの開発手法については、後日あらためて詳しく書こうと思っています。
そこから、初期の仕様を一気に書き出していきました。一番最初に書いた仕様は以下の通りです。一部の抜粋であり、現在のゲーム仕様とは異なる部分があります。
- ゲームが始まると、プレイヤーのうち1名が出題者となり、ほかのプレイヤーは回答者となる。
- 出題者にはランダムなお題が提示され、回答者はお題を見ることができない。各プレイヤーの画面には星空のような大小さまざまな星が表示され、出題者は星同士を直線で結ぶことができる。
- 出題者は、星と直線でお題を表現した星座を作る。回答者は、出題者が作った星座を見てお題を推理し、回答する。
- 回答者が制限時間内に正答した場合、出題者と回答者に、正答時の残り時間に応じたポイントが加算される。制限時間が切れた場合は、誰もポイントを得られない。
- 順番に全プレイヤーが出題者を担当したら、合計ポイントが最も多いプレイヤーの勝利となる。
書き出してみると、ゲームの根幹はそれほど複雑ではなく、個人かつ初めてのゲーム開発でも形にできる気がしてきました。実際に作り始めると、それはそれでいろいろあったのですが、まずは走り出してみようという気持ちで開発を開始しました。
ということで、第1回はここまでとなります。次回からは、ステラセンスの仕様をもう少し細かく取り上げます。次回のテーマは「確信回答」システムです。