2. お絵描きクイズの「駆け引き」その1――確信回答
ステラセンス開発秘話、第2回はステラセンスの特徴的なゲームシステムである「確信回答」について書いていきます。
ゲームの面白さを生む「駆け引き」
私はこれまでいわゆるバックエンドやインフラ領域のITエンジニアとして仕事をしており、趣味でもツールやWebサービスの個人開発を行なっていたのですが、これまでにゲームを開発したことはありませんでした。ただ昔からゲーム開発には興味を持っており、自分がプレイしたゲームの開発者のコラムを読むのが好きでした。ゲーム開発者の中で特に尊敬しているのは桜井政博氏とMark Rosewater氏で、この両名の哲学には、ステラセンスの開発でも大きな影響を受けています。
桜井氏がたびたび強調していることの一つに、「ゲーム性」を「かけひき」、言い換えれば「リスクとリターン」と捉える考え方があります。
ゲーム性という言葉を私なりに意訳すれば、「かけひき」。言い換えて、「リスクとリターン」と呼ぶことにしようと思います。
ステラセンスはいわゆるお絵描きクイズゲームですが、仕様を検討する最初期の段階から、お絵描きクイズにリスクとリターン、つまり駆け引きの要素を生み出すにはどうすればよいかを考えていました。
クイズ番組にあったリスクとリターン
クイズに駆け引きの要素を自然に作る方法を考える中で、発想のきっかけになったのはビデオゲームではなく、昔よく見ていたテレビ番組『世界ふしぎ発見!』でした。
当時の『世界ふしぎ発見!』では、解答者がヒトシ君人形を賭けてクイズに答え、正解すれば得点になり、不正解なら人形がボッシュートされてしまいます。(余談ですが、昨今では色々な場面で用いられるようになったボッシュートという言葉の語源も『世界ふしぎ発見!』だったりします)
さらに、通常のヒトシ君人形より高い得点を狙えるスーパーヒトシ君人形もあり、限られた使用機会をどこで切るかが鍵になっていました。長く続いた番組の中でルールには何度か変遷がありますが、私の記憶に残っている時期の仕組みはこんな感じだったと思います。
高い得点を狙うほど、貴重な機会を失う可能性もある。考えてみれば、これはまさにクイズというジャンルにおける駆け引きです。そこで、同じように「ここぞという場面で勝負する」仕組みをステラセンスにも取り入れることにしました。
「確信」と言いながら迷って押す
出題者が描く星座を見て、回答者が1ラウンドに1度だけ使える高得点の回答。正解すれば回答者の得点は通常の2倍になるリターンを得られる一方、外せば10秒間回答することができなくなってしまうリスクを背負う。この仕組みに「確信回答」という名前を付けてゲームシステムに組み込むことにしました。

本当に確信を得られるまで作画を待っていては、ほかの回答者に先回りされてしまいます。かといって、早く押しすぎて外せば、10秒のあいだ回答の機会そのものを失います。つまり「確信回答」という名前ではありつつ、実際には迷いながらリスクとリターンを比べて押すことになります。桜井氏の言う「かけひき」を生む要素として、ぴったりのシステムになったと思っています。

以上が「確信回答」についてのお話となります。成功させて高得点を得られるとなかなか快感があるので、ぜひ積極的に狙ってみてください!
次回は、ステラセンスにあるもう一つの駆け引き要素「エクストリームお題」について書く予定です。それではまた次回お会いしましょう。